こんにちは、タイーチです。
あの頃の新宿は、本当に静かでした。何の音もしない夜、緊急事態宣言
コロナ禍で人の姿が消え、Bar「Gadget」もシャッターを下ろしたまま。
普段は「おかえり~!」なんて声が飛び交っていたのに、
気づけば氷がカランとも鳴らない夜。
正直、焦りました。
――このままじゃ、ただの“昼間の人”になっちゃう。
Barスキル以外にも、自分に何か“武器”を持たなきゃ。
そう思って、まず頭に浮かんだのが「YouTuber」。
なんかこう、時間もあるし流れに乗りたい!
「よし!動画の時代に乗るぞ!」と意気込んだのも束の間、
冷静になって気づくんです。
「……あれ? しゃべるだけじゃダメ? パフォーマンスいる?」
そう、ただの“飲み屋トーク”じゃ通用しない(笑)。
画面の向こうの人に伝えるには、ちゃんと表現力や企画力が必要なんですよね。
じゃあ、どうする?
――「そうだ、演技を学ぼう!」
ということで、演技の養成所に飛び込みました。
最初はもう、完全に“様子見”のつもり。
でも、やってみたら思いのほか楽しい。
セリフ一つで世界が変わる。
声のトーンで感情が動く。
……いや、演技って奥が深い!
それに、周りの人から言われるんです。
「タイーチさん、声いいですね」
「なんか落ち着く声してる」
この一言が、やっぱり嬉しかった。
気づいたら、私はこう思っていました。
――“声”で何かを伝えたい。
あの静かな夜が、僕の新しい一歩の始まりでした。
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🔹次回予告
次回は、いよいよ実際に動き出した話。
養成期間を終え、とある“声の企画”に参加した私は、まさかの展開に出会うことになります――。
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